今、こうして僕の目の前にいるのはお菓子大好きな彼
ナッティだった
ナッティは糖尿病のせいで視点が合わなくなった片方の目をギョロギョロさせながら僕のほうを凝視している
何がおかしいんだろ
「ナッティ、これ食べて」
僕はナッティに昨日から頑張って作ったプディングを大皿で渡した
結構頑張って作ったのに、ナッティは真っ青な顔で静かに首を振るばかり
何が気に食わないのだろうか
「い…要らない」
「え?」
耳を疑った
「ナッティ、お腹すいてないし…要らないよ」
そんな!!食べてよ…
「せっかく作ったのに…」
それからしばらくの沈黙が
僕にはその沈黙が一生に感じられ、恨みすらこみあげてきた
「ごめんね?あ…でもね、カドルスの作ったのが嫌とかじゃなくて…___」
どすっ
「食えって 言ってるじゃん」
ナッティの目の前にプディングの入った大皿を できるだけ笑顔で置いた
あ…口調荒くなっちゃった危ない危ない
「っ…要らない・・・本当に要らないなって字もう帰りたい…」
…
「いいって食べさせてあげる、ほら口開いてよ」
僕はナッティの後ろに回り、ナッティの下顎を掴んで優しく口を開き、口元にスプーンでプディングを運ぶ
「っ…」
ナッティはなかなか口を開いてくれない
頑固なんだ
ナッティには飴しか与えられてないんだ、鞭が足りないんだね
「ほら美味しいよ?ね???」
「要らない!!嫌だ!!」
「何言ってんのさ食べて」
「やめっ…」
「あ~ん!いうこと聞いてっての!」
無理やり詰め込むとナッティは「うっ」と口を抑えた
ナッティは床にだばだば、胃の中からすぐ吐き戻してしまっている
もったいないことして…
そんなにいやなのかな…皆のプディング
僕はきっとランピーの左耳だと思われるものをスプーンによそい
口に運んだ
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